
15日、福岡高裁那覇支部前であった判決後の集会で「県と沖縄市は上告断念を」と訴えました。
「これで豊かな海を取り戻せる」。15日に開かれた中城湾港泡瀬沖合埋め立て事業への控訴審。一審通り県と沖縄市の公金支出を違法とする判決に原告らは勝利の喜びを分かち合い、これからの干潟再生に力を込めた。一方、一審に続いて事業の経済的合理性に疑問符を突き付けられた東門美津子沖縄市長。「内容を把握してからコメントしたい」との回答に終始し、報道陣から逃げるように会見を打ち切った。継続か、中止か―。同事業は大きな転換点を迎えた。
「沖縄市や県に上告を断念させよう」「干潟の生き物にも勝利を報告しよう」。中城湾港泡瀬沖合埋め立て事業の控訴審判決があった15日、原告や支援者は勝訴の喜びを分かち合った。経済的合理性を欠くとして、事業への公金支出を差し止めた画期的な一審判決から11カ月。原告らは無駄な公共工事の見直しを掲げる新政権誕生を追い風に、工事の即時中止を求めるとともに、既に埋め立てられた区域も自然再生のモデルにし、自然との共生や生物の多様性を守るべきだと声を上げた。
福岡高裁那覇支部前であった判決後の集会には原告や支援者ら約80人が参加。原告団代表で、泡瀬干潟を守る連絡会の小橋川共男共同代表は「豊かな自然の多様性があるからこそ沖縄だ。無駄な公共工事はやめようという時代の流れが来ている。県民みんなと新しい沖縄をつくる気概でいきたい」と話し、国の浚渫(しゅんせつ)土砂投入を一刻も早くやめるよう求めた。
糸数氏は「県議時代から問題を指摘してきただけに感慨深い。貴重な環境を残し、自然再生型の公共工事が求められる」と喜んだ。
※「琉球新報」2009年10月16日付けに掲載

勝訴の垂れ幕を掲げ喜ぶ原告団とともに