
カジノ問題シンポ2009 「カジノの町はいま~沖縄とカジノを検証する」が5日、那覇市のパレット市民劇場で開かれた。マカオと韓国のカジノの現地調査報告があり、治安悪化や人口減少、性産業の隆盛など深刻な影響が伝えられた。
沖縄でもカジノによる観光振興が検討されていることに対し、自然環境の再生や、農畜産業振興に主眼を置いた「持続可能な観光」へ転換の必要性が提起された。25周年記念うないフェスティバル2009(主催・同実行委員会、沖縄タイムス社、那覇市)のプレイベントの一環。
フリージャーナリストの寺田麗子さんはマカオ、韓国江原道のカジノの現状を映像で報告。マカオで日昼の地下街で売買春が行われている様子や、韓国でのギャンブル依存症などの問題を伝えた。
沖縄のカジノ構想の背景に「観光客1千万人構想」があるとして「量より質、観光の在り方の見直し」を指摘。環境問題は最重要として「地元の業者で、自然の再生工事を公共工事として着手しては」と提案した。
糸数慶子参議院議員は、海外のカジノでは経営難からカジノを自国民に開放する動きがあるなどと指摘。「沖縄の目指す観光は自然や食文化を生かしたものが望ましい。農、畜産業に力を入れ、地産地消を目指すことが自立経済につながる」と強調した。
山内末子県議会議員もパネリストで参加した。
※「沖縄タイムス」2009年11月6日付けに掲載