被災地カジノ構想の話に、「ギャンブルで人の心が立ち直ることは決してありません」と首を横に振るのは、沖縄選出の参議院議員、
糸数慶子さんだ。
「沖縄では返還後から今に至るまで、繰り返しカジノの話しが現れては消えてきました。しかし、沖縄が戦後の悲惨な状況から立ち直ったのは、賭けごとなどではなく、沖縄の唄と踊りのおかげです。終戦後にある有名な歯医者さんが『沖縄の人々に娯楽を』と、三線を抱えてバラックを一軒一軒回りました。『笑え、歌え、そして助かった命のお祝いをしましょう』と。やがて芝居小屋ができ、四つの劇団ができて、歌と踊りと芝居とが沖縄全土から離島にまで広がり、人々の心の復興につながっていったのです」
糸数議員はアジアや欧米の世界中のカジノを視察し、日本にカジノを作るべきではないとの結論に改めて達した。………
※「世界」2012 年6月号(NO,831) 古川美穂「ルポ 被災地を襲うギャンブル・下 幻想の復興カジノ」272-273ページに所収(一部抜粋)
※※ 4月 12 日に東京の議員会館でインタビューを受けたものです。