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![]() 参院選:政策比較(4)教育・人材育成 糸数慶子氏の主張 郷土の歴史学習推進 次世代を担う青少年の教育は大人社会の責任だが、主体はあくまで青少年だ。偏った価値観や歴史認識の押し付けは「教育」ではなく、むしろそれを損なうものである。 沖縄を切り捨てた4・28「屈辱の日」を「主権回復の日」とし、政府式典を開催し「侵略戦争の定義は定まっていない」「従軍慰安婦の強制の証拠はない」などと公言して世界中の非難と警戒を呼び起こした首相に教育を語る資格はない。 自立した個人として社会に向かいあい、参加し、動かし、変えていくような人間への成長を促すには他人の意見を聞き、自分で考え、それを表現して伝える資質、能力の形成が重要である。社会や日本と近隣諸国の関係にも理解が必要だ。 琉球・沖縄の歴史やアジア諸国との関係史などは、国際社会で活動する若者には不可欠だ。郷土の学習や「うちなーぐち」の授業を取り入れ、歴史実相を隠しゆがめる教育を正し、歴史教科書の国際共同制作を進めるべきだ。沖縄戦を風化させない平和教育も重要だ。 少人数学級化を急ぎ、生徒にも教師にもゆとりを保障し、格差拡大や貧困層の増加が教育に及ぼす悪影響をなくすのも急務で、支給型奨学金制度も拡充すべきだ。青少年の留学・遊学支援制度の創設も求めたい。 自主的で広い視野を持つ人間形成には自発的で創意ある教師の役割が重要だ。教科書検定や教育委員会を通じた管理体制を強め、教育現場から自由な雰囲気を奪う教育政策は誤りである。教職員、保護者、地域住民が参加し、意見が反映される学校改革に取り組み、教科書・教材の自由な採用を促進する。 ※「沖縄タイムス」2013年7月12日付に掲載 参院選:政策比較(5)米軍基地問題 糸数慶子氏の主張 差別的構造解消せよ 在日米軍基地の74%が面積0・6%の沖縄に集中(密度は本土の470倍以上)という異常で差別的な構造は速やかに解消されるべきだ。政府が米軍基地は日本の安全保障に不可欠というのなら、基地は日本全国で分担すべきで、沖縄に押し付ける姿勢は許せない。 沖縄には海にも陸にもこれ以上の軍事基地は造らせない。最も危険な普天間飛行場は即時閉鎖し、速やかに返還すべきだ。辺野古への新基地建設と高江のヘリ(オスプレイ)パッドの建設はやめさせ、政府の埋め立て承認申請は拒否すべきである。オスプレイは撤去を要求し、配備増強も自衛隊による導入にも反対する。 犯罪や事故を起こした米軍人、軍属なども特権で保護する地位協定は抜本的に改正すべきだ。 同時に、沖縄の基地を減らさない口実となっている、東アジアの国際環境の改善を進める必要もある。 その最大の焦点は中国だが、尖閣問題はあくまで平和解決をめざす。政府は「領有権問題」の存在を認め、田中・周会談での事実上の“棚上げ合意”に戻るべきだ。 平和解決には、漁業その他の海洋資源の公正かつ沿岸漁民の生活を基本とした共同利用により、東シナ海を「平和の海」にする知恵が必要である。 その努力をせず、「離島奪還演習」や軍備増強を誇示し、中国はこれに艦艇派遣で応えるという不毛な応酬はやめるべきである。武力衝突が起これば、解決どころか日中関係は泥沼化し、双方とアジアの平和は大打撃を受け、沖縄はその最大の被害者になる。 武力で平和はつくれない-それが憲法9条の精神でもある。 ※「沖縄タイムス」2013年7月13日付に掲載 参院選:政策比較(6)医療・福祉 糸数慶子氏の主張 介護の底上げ公費で 高齢化は医療・福祉に「給付と負担」という重い課題を突き付けているが、これに格差と貧困の問題が重なる。 子どもを産み育てるには、医療の分野では産婦人科医と小児科医の確保と適切な配置が不可欠であるが、特に離島が多い沖縄には切実だ。 救急や高齢者医療も併せ、ドクターヘリの拡充とともに、地域に根づく医師・診療所の養成と確保に、国・自治体・医療機関・教育機関の一体となった取り組みを求めたい。 医療保険については、保険料の引き上げや高齢者負担の増額などが進められている。これに生活保護費の切り下げで、低所得者はますます病院にかかりにくくなっている。生活保護費の引き下げに強く反対する。TPPで医療自由化が導入されれば“命の沙汰は金次第”になるだろう。 介護では、介護担当者の待遇と施設の水準が問題になっており、その改善のためには保険料を上げるという悪循環に陥っている。公費で人的・物的な基盤整備をせずに制度変更した結果で、公費による底上げが急務だ。 障がい者自立支援や町づくりには、障がい者自身の参加が大原則で、それに基づき制度・政策を全面的に見直し、改善を進める。難病患者の医療と医療費、生活の困難は、公費で支援する制度を拡充する。 格差と貧困の拡大の中で“孤独死”が増えている。独居老人への自治体のケア体制を充実させるとともに、地域の「見守りネット」活動を奨励する。 沖縄の自然を生かし、原発被災地の子どもたちの避難・保養の受け入れを支援する。 ※「沖縄タイムス」2013年7月14日付に掲載
by itokazu-keiko
| 2013-07-14 14:35
| 報道
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