豪女性事件 「真相隠した」行為で

ジェーンさんの記者会見に同席し、彼女のたたかいの意義と地位協定改定・性犯罪被害者支援センター設立の重要性を訴えました。(9日、県庁にて)
2002年に神奈川県で米海軍兵によるレイプ被害に遭ったオーストラリア人のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんが9日、県庁で記者会見し、日米両政府に損害賠償を求めることを明らかにした。米兵を除隊にして帰国させるなど「真相を隠した」行為の賠償やこれまでの訴訟費用を要求し、認められなければ両政府を相手に新たな訴訟を起こす考え。
ジェーンさんは今年10月、元米兵に賠償を求めた米国の訴訟で勝訴した。裁判の中で元米兵は、ジェーンさんに訴えられた民事訴訟が東京地裁で進行中だった02年、軍に帰国を命じられたと証言した。
ジェーンさんは会見で、「真実がついに明らかになった。レイプ犯をかくまい、自由の身にした日米両政府は罰されなければならない」と話した。米軍の帰国命令について、両政府に究明を求める。
米国の訴訟では、東京地裁によるジェーンさん勝訴の判決が認定され、重要な鍵となった。米裁判所への提出に当たり、判決が本物だと証明する外務省の「公印確認」が必要だったが、ジェーンさんは「外務省はこの間、そういう手続きがあることを一切私に知らせなかった」と批判した。
沖縄の性犯罪被害者に向けて、「私たちは悪くない。責められることもない。声を上げていこう」と呼び掛けた。被害者を支える24時間の支援センター設置も、あらためて求めた。
※「沖縄タイムス」2013年12月10日付けに掲載