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参議院議員(沖縄社会大衆党) 糸数 慶子
最近、国内へのカジノ導入について頻繁にメディアに取り上げられるようになりました。1999年に東京都がお台場活性化の起爆剤としてカジノ建設を検討しはじめたことを機に、様々な自治体においてカジノ誘致の構想が浮かんでは消えていましたが、2010年に超党派の「国際観光産業振興議員連盟(IR議連)」が発足したことや、2020年の夏季オリンピックの開催地が東京に決定したことから動きが一気に加速してきました。昨年12月には、議員立法による「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」が提出されており、今国会において、まもなく審議されることになっています。残念ながら国会議員にカジノ反対派の議員が少ないため、このまま行けばカジノ法律案は成立するのではないかと懸念しております。 ―沖縄では2001年から こうした動きを受けて、全国でもカジノ誘致に名乗りをあげる自治体が多くなってきました。私の地元の沖縄県においても、2001年に県議会がカジノ調査費を計上して以降、カジノ誘致にむけての活動が行政主導で活発に行われています。私は当初から「カジノ問題を考える女たちの会」の共同代表として県の動きを注視し、反対運動を続けています。そのようななかで、昨年末、国会での動きに呼応するように仲井眞県知事が沖縄政策協議会において沖縄へのカジノ誘致を要請し、また今年3月の県議会において県民合意を後回しにしたカジノ誘致への積極的な姿勢を明確にしたことに、大変な危機感を覚えています。 県内ではカジノ誘致の構想とは別に、MICE施設誘致の動きも活発化しています。沖縄県の市町村議会議員のほとんどがMICEとカジノを結びつけておらず、MICE施設に一致して賛成している様子は驚くほどです。カジノには反対している議員でもMICE誘致には賛成しているのです。MICEとはMeeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention またはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとっており、名前だけを見れば会議や展示会施設のような印象を受けますが、採算をあわせようと考えた場合、MICE施設のみでは不十分で、それを支える他の施設が必要になります。例えばシンガポールのMICE施設は宿泊施設やレストラン、ショッピングセンター、そしてカジノとともに運営されています。カジノは総床面積の5%程度で、全施設の8割の売り上げをしめています。MICE施設の導入を検討する場合、それを補完するためにカジノ施設が経営上不可欠なのです。MICE施設の導入にあたっては、この仕組みをきちんと見抜く必要があると思います。 日本はカジノ導入へとひた走っている状況ですが、カジノが賭博であることは紛れもない事実であり、今現在国内でカジノを行えば、賭博罪で刑法違反となります。ここで立ち止まって、なぜ賭博がこれまで刑法で禁止されていたかをよく考えてみてほしいと思います。賭博、博打、ギャンブル、カジノと言い方はいろいろありますが、これらは人間の「苦労なく利益を得たい」という心理をあおって勤労意欲を減退させ、ひいては国の経済に影響を及ぼす恐れがあるために禁止されてきたのです。カジノ賛成派の人々は、それをまったく無視してカジノを導入しようと躍起になっています。彼らはカジノによって税収が上がる、地域が活性化される、雇用が増える等々、様々な理由を付けてカジノを正当化しています。ただ、カジノのもつ様々な負の効果にはきちんとした対応策をもっていません。 ―韓国の江原道とマカオのカジノ 私は、カジノ問題に取り組みはじめてから、ラスベガスや韓国やマカオ、シンガポール、モナコ等、世界中のカジノを見てまわりました。そのなかで特に注目したのは韓国の江原道とマカオのカジノです。どちらのカジノも地域社会への負の効果が大きく、住民たちの困惑や不満が非常に印象に残っています。韓国の江原道は、元々炭鉱の町でしたが炭鉱が閉鎖されることになってカジノを誘致しました。そのカジノは自国民も入れるようになっており、依存症になる人が後を絶たず、町に質屋が溢れて浮浪者が多くなり、カジノでつくった借金のために一家離散するケースが増えたのです。若い人々は都市へ出てしまい、地元に残ったのは老人だけ、というカジノ誘致派だった人々も嘆くほどの状況でした。マカオではカジノとともに性産業が蔓延し、街頭では男性客を誘う女たちが歩き、風紀が乱れた印象を受けました。そして当然、暴力団等の問題もあります。また地域経済がカジノと性産業に依存しすぎており、カジノ以外の産業が育たないという弊害とともに子どもの教育への影響も避けられないようで、地元民は子どもがカジノで働くと言って勉強しない、と不満を漏らしていました。 カジノが日本に導入された場合、風紀の乱れ、治安の悪化、暴力団、経済のカジノ依存、教育への悪影響も大きな問題ですが、なかでも私はギャンブル依存症の増加を非常に懸念しています。日本にはパチンコ産業がはびこっており、ただでさえパチンコでつくった借金による一家離散や自殺などが多々あるのです。パチンコによるギャンブル依存症の問題を長年に渡って放置し、未だに解決策を見出だしていないにも関わらず、カジノ導入を渇望する人々の良識を疑います。パチンコ依存症の問題を間近で見てきた弁護士や精神科医の方々がカジノ導入に疑問を呈するのは至極当然だと思います。 ―「カジノで潤う町」は本当か 今、全国で多くの自治体がカジノ導入に名乗りを上げています。それぞれが地域の活性化に懸命で、カジノ導入を特効薬と捉えていますが、カジノ導入は問題のすりかえに過ぎないのです。本当にしなければならない努力、例えば産業の振興や地域ブランドの確立といったことを模索する努力はカジノ導入によっておざなりになるのではないかと思います。 確かにカジノ誘致によって自治体の経済状況は一時的に上向きになるかもしれません。しかし、地元の住民が求めているのは本当に「カジノで潤う町」なのでしょうか。たくさんの観光客がどっと町にやってきて、カジノや歓楽街で昼夜問わず遊びまわり、性産業のチラシやポスターが町にあふれ、質屋が立ち並び、地域の子どもたちは親がカジノで全財産を失ったり、一家離散したり、あるいはそのような友人たちを見ながら育ち、自分もいつしかカジノやその周辺で働く。このような「町おこし」を人々は求めているでしょうか。 ―持続可能な沖縄観光の姿 日本は自然が豊かで、繊細で芸術性豊かな工芸品がたくさんあります。歴史も古く、様々な建造物があり、地域ごとに変化にとんだ食べ物があり、交通システムも優れているので、移動が楽です。人々もホスピタリティに溢れています。このように素晴らしく、観光に適した国に、あえてカジノを導入する必要はないでしょう。沖縄県にしても、美しい海や島々、ヤンバルの豊かな自然、おいしい食べ物、日本本土とは異なる地域性や伝統行事など、観光客を引きつける要素はいくらでもあります。今、沖縄県には観光客が年に600万人以上訪れています。そこへ一部の人々が「夜のエンターテイメントが必要だ」と言ってカジノを誘致しようとしています。私個人は夜のエンターテイメントを求めてやってくる観光客は沖縄に必要ないと思っています。 沖縄には平和学習のために修学旅行生が毎年数多くやってきます。それに加え、子どもを自然環境に慣れ親しませようと家族連れも多く、また沖縄の空手を学びたいと世界中から空手愛好家が訪れます。沖縄の自然や文化、地域の人々のありのままの姿が好きで訪れる観光客です。私はこれらの観光客を大事にしながら、地元の特性を生かした産業発展のために地道な努力を重ねていくことが大切だと思います。 沖縄県が全国へそして世界へアピールしたいことは何なのか。それを見つめ、観光産業を昇華させていけると考えています。沖縄を平和学習の場や自然を学ぶ場、そして伝統芸能や空手を教え、広める場にする。これこそが他所からやってくる人々が沖縄に求めているものであり、世界の人に誇れる持続可能な沖縄観光の姿です。 カジノは確かに税収が簡単にアップする特効薬かもしれません。しかし華麗な建造物を建て、簡単に大金を稼ぐというユートピア的なイメージの裏で、依存症患者やその周囲の家族の苦しみを生み出すことが必至であるという構造は健全ではありえません。カジノ産業の本質はそこにあり、カジノが犯罪である所以はまさにそこにあることを私たちは忘れてはならないと思うのです。 ※「消費者法ニュース」(消費者法ニュース発行会議)100号-白書-312~314ページ(2014年7月発行) ※中見だしは糸数事務所で挿入 ※ DVD 「マカオ カジノ視察07'」(16分)「カジノの町はいま09' ~韓国江原ランド~」(15分)はYou Tube上でご覧になれます。
by itokazu-keiko
| 2014-06-11 18:45
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