『沖縄戦と平和ガイド』 糸数慶子 著
参議院議員の著者は、戦後沖縄本島読谷村に生まれた。そこは沖縄戦での激戦地。母親は逃げ込んだ山中で著者の兄と姉に当たる幼児2人を亡くしたが、生前はその体験を語らなかった。
著者は、高校卒業後地元のバスガイドとなり、「戦死者たちはお国のために勇敢に戦って最後を遂げた」という「殉国美談」でガイドをしていたが、事実とはちがうことに気づき、真実を語る「平和バスガイド」を実行。
かつては本土決戦を防ぐための捨て石にされ、戦後も63年間、米兵による性暴力事件、騒音や事故の危険、自然破壊、海洋汚染など、米軍基地の被害を一身に受けてきた沖縄の、心の底からの叫びが聞こえる。
※「世界へ未来へ 9条連ニュース」2008年12月20日NO168号「案内板」に掲載